Avant / Progressive

プログレッシブロックやニューヨークの即興シーンなど、前衛的な作品のディスクレビュー

Brigitte Fontaine / Comme a la Radio

Brigitte Fontaine / Comme a la Radio
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Saravah
released
1969
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ブリジット・フォンティーヌの代表作にしてアヴァン・ポップの超名盤。このアルバムで何より特筆すべきは、なんといってもフランスにやってきたフリージャズ界のキワモノ集団アート・アンサンブル・オヴ・シカゴ(AEC)の全面参加だろう。ポエトリー・リーディングの様でもあるブリジットの歌声と、御祭りばやしを思わせるようなAECの演奏は、独特の緊張感と躍動感に満ち、演劇のようで、またワールド・ミュージックの様でもある。AECへの入門としても最適。

the dylan group / Ur-klang Search

the dylan group / Ur-klang Search
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Bubble Core
released
2000
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vib を中心にしたポストロックバンドの3作目。全体的にダブ的なサウンドだが彼らはコンピュータで編集したりとか、テープをいじくってループを作るとかいったズルい手は使わず、すべて人力でやっている。リーダーのアダム・ピアースのドラミングを中心に、ディラン・クリスティのvibが絡む、という構成が多いが、これに安っぽい感じのシンセやなんだかよくわからない打楽器とかが入ってきて、なぜだかとても心地よい。ハードコアなギターの音も耳障りがよく、彼らの音に対するこだわりも見え隠れする。また彼らはインドネシアのガムランなどにも多くの興味を寄せているらしく、たしかにその影響は多分に感じられる。全体を通して、伝わってくる空気感が心地よく、理屈ぬきに楽しめる作品。

Gaster Del Sol / Camoufleur

Gaster Del Sol / Camoufeur
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Drag City
released
1998
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ジム・オルーク在籍で知られるGaster Del Solのセカンドアルバムで、現時点ではこれがラストアルバムである。本作ではジム・オルーク、デヴィッド・グラッブスのオリジナルメンバーに加えて ovalのマーカス・ポップが全面的に参加している点は注目。ギターを中心にしたアコースティック・アヴァン・ポップといった作風は変わらないながら、マーカスによる電子音が随所にちりばめられ、より彩りのある作品にしている。ほかにもゲストが多数参加していて、全体として前作"Upgrade & Afterlife"よりもカラフルで、聞きやすい曲が並んでいて、非常に親しみやすい。録音、編集にも細心の注意が払われ、人脈もシカゴのポストロックの縮図。

God Speed You Black Emperor!/f♯a♯∞×××

God Speed You Black Emperor!/f♯a♯∞×××
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kranky
released
1999
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カナダ出身、いわゆるポストロックの9人組バンドのファースト・アルバム。20分くらいの曲が3曲入っている、聴いていて非常に疲れるアルバムだ。セカンドの2枚組みなんてもっと疲れるが。彼らの曲は同じフレーズのリフレインを元に構成されているが、ミニマルとは違って明らかにクライマックスへと向かって高揚していく。その展開がなんとも感動的だ。ヴァイオリンなども入っているが、やはりサウンドの中心はギターで、このアンサンブルがすばらしい。キングクリムゾン、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ソニック・ユースあたりを思い起こさせるサウンドは目新しいものでもないかもしれないが、その説得力はただ物ではない。必聴。

Luc Ferrari / Danses Organiques

Luc Ferrari / Danses Organiques
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Elica
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フランスのエレクトロ・アコースティックの大御所であるというリュック・フェラーリの同名タイトルの映画のサントラ盤。アフリカンなパーカッションやフルートのアンサンブルなどの合間やその上などに映画の中の会話と思われる女性二人の会話やナレーション、ノイズなどがコラージュされていく(会話のトーンから察するにレズ映画らしい)。全体にフランス映画らしい物憂い空気感が漂い、また音の処理なども作りこまれていて、エレクトロ・アコースティック音楽というものを楽しめる。これは要するにミュージック・コンクレートのことで、さらに崩して言うとサウンド・コラージュ音楽のことだ。随所に電子音などもちりばめられ、音響が好きなら楽しめる作品になっている。

oval / ovalprocess

oval / ovalprocess
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Thrill Jockey
released
2000
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oval のオリジナルアルバムとしては3作目。それまでのovalの作品の中では比較的ノイジーなサウンド。相変わらずCDにマジックペンで線を引き、音飛びした音をサンプリングする、という手法に変わりはないが、本作ではさらにこの試みを"Oval Process"と題し、このサウンドシステム自体を作品とすることで、誰でもがovalの音楽を制作することができる"Oval Process"という新しい作品形態を提案した。このプログラムは将来商品化される予定らしい、という話は前から聞いているので近々そういうこともあるかもしれない。彼の「デジタルであることは、計算可能であるということであり、そのアップデートに完全に拘束されている」という、テクノロジーに対するある種冷めた視点は現代のデジタルミュージック界にはなくてはならないものだろう。

King Crimson / Red

King Crimson / Red
label
EG Records
released
1974
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数あるクリムゾンのアルバムの中でも屈指の名盤。まずはロバート・フリップのギターサウンドのすばらしさは特筆すべき。いわゆるファズ・ギターだがその歪み方は完全に制御されたものだろう。さらに彼のヴォイシングはいつ聞いても際どく尖っている。これにビル・ブラッフォードの超絶テクドラムが絡んでくる様は実にスリリングで、冒頭タイトル曲のRedでもそれは十分に堪能できる。もう一つの山場は最後に収録されている"Sleepless"で、ジョン・ウェットンのいかにもUKプログレを感じさせる歌声はファンにはたまらないものだろう。インストパートではゲストのMel CollinsとIan McDonaldのサックスがとてもよい。特に後テーマに戻るときのソプラノサックスの入りは「それは反則だ」っていうくらい美味しい。プログレファンは当然持っているだろうが、そうでない人も持っていたほうがいいアルバムだ。

Tortoise / Standers

Tortoise / Standers
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Thrill Jockey
released
2001
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thrill jockey トータスは前作TNTでハードディスクレコーディングシステム、ProToolsを導入、これによって彼らの演奏・録音とともにその後の編集という作業を作曲という次元まで還元していくという方法論を完成させた。これによって演奏はデジタルに保存され、カット&ペーストされていくことで一つの作品を形成して行ったが。しかし本作ではさらにその次元からアナログの機器やシンセサイザーを数多く導入、洗練されてはいないノイジーなサウンドが前面に出たアルバムに仕上がった。アルバム冒頭のディストーションのかかったドラムは特に象徴的である。この結果、より人間的な肌触りを持つ作品となったが、それらが計算された物であるような感覚もある。このアルバムではもはや作為的であることやそうでないことなどはどうでもよい問題かもしれない。

The Wall / Pink Floyd

The Wall / Pink Floyd
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EMI
released
1979
comment
僕がこれまでに出会ってきた中で、もっとも影響をうけたアルバムである。中学生という多感な時期に、このアルバムでの歌詞の世界はあまりに刺激的で、その衝撃は高校へ進学しても僕を魅了し続けたし、もちろん「狂気」で世界を圧倒したサウンドメイキングは先鋭的な感はほとんど感じなくなったとはいえ細部まで手の行き届いたものだ。特に(いつものことだが)デヴィッド・ギルモアの胸の奥を掴み取ってくるようなギターの音は今でも世界最高のものだと感じている。ロジャー・ウォータースのコンポジション、リック・ライトのセンスの良いキーボード、ニック・メイスンのパワフルでありながら要所を押さえたドラミング、また洗練されたスタジオワーク、全てが空回りすることなくかみ合った音世界は圧倒的だ。この作品はアルバムのストーリー通りの映画も作られていて、そちらの出来もすばらしい。これは最近DVD化された。

Heldon / It's Always Rock'n Roll 2

Heldon / It's Always Rock'n Roll 2
released
1975
comment
フランスのプログレバンドHELDON(エルドンと読む)の、どうやら75年の作品。なんだかふざけたタイトルだが、2曲め以降はたしかにドラッギーな感じのジャーマン・サイケデリックあたりも感じさせるようなロックンロールが展開されている。1曲目はシンセや管楽器を用いたスペーシーな感じの音響にも近い作品。HELDONの作品はこれしかもっていないので普段はどうだか知らないがこのアルバムは全編インスト。メロディーといえるメロディーも少ないが十分聞いていられるだけのクオリティーを持っており、今度またアルバムを見つけたらまた買おうと思う。新品でも手に入るようだが。

CAN / TAGO MAGO

CAN / TAGO MAGO
label
spoon
released
71
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ジャーマン・プログレッシブの代名詞といえるCANの第3作目(Soundtracks含む)。ヴォーカルは前作から参加している日本人ヴォーカリスト、ダモ鈴木。冒頭の曲はブルージーかつメロディックで聴き易くなっている。ジャズロック調といえるもの、また3曲目など疾走感がありテープによるサウンドコラージュなどの手法も取り入れられた曲もあり、後の多くのテクノを含むバンドに与えた影響は計り知れないものがあるようだ。イギリス以外のヨーロッパ各国のロックグループ(その多くがプログレッシブ・ロック)が独自のサウンドを獲得していくための下地を作った点でも、後のヴェルヴェッツやソニック・ユースなどのアンダーグラウンドシーンの発展との関係からも、CANの存在意義は一般でもさらに評価されるべきでは。

CAN / FUTURE DAYS

CAN / FUTURE DAYS
label
spoon
released
1973
comment
CAN の最高傑作とも言われる作品。全体を通して初期の作品に見られたような破壊的でノイジーな質感はなく、中空を漂っているようなある種のトランス感あふれる空気感があり、これはこれでかなりキマッちゃってるドラッギーなアルバムともいえる。ロック風のビートはほとんど皆無で、ドラムもパーカッションを叩いていることがほとんど、まるでミニマルミュージックのようだ。そこにテープコラージュの音が絡んでくると、もうかなりの気持ちよさで、繰り返し聞きたくなるような中毒性はかなりのもの。しかしCANやFAUSTをはじめとするジャーマンロックと、King Crimson等の湿っぽいブリティッシュプログレが同じジャンルでくくられると言うのはいかがなものか(どっちも大好きですが)。まあこの雑多さがプログレの面白さでもあるのだが。ちなみにこのアルバムの制作後、日本人ボーカリストのダモ鈴木は奇声を発してスタジオを去って戻ってこなかった。彼はその後新興宗教に出家したらしい。

Magma / Live

Magma / Live
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Seventh
released
1975
comment
プログレッシヴ・ロックのみならず、全世界のロック・ライブ・アルバムの中でベストとも言われるマグマの最高傑作(といわれている作品)。マグマはジョン・コルトレーンを敬愛するクリスチャン・ヴァンデが、ある日宇宙からの啓示を受け、自ら作り上げた「コバイア語」なる言語を用い、超絶テクでミニマルなジャズロックを展開する変態プログレバンドだ。そのコバイア聖歌隊はまさにクラシックの歌曲をモデルとしたもので、荘厳な気配に満ちている。クリスチャンのたたく変拍子ドラムとそれに絡むベースは正に超絶テクといった趣きで、まじめに聞いていると思わず笑ってしまう。ライブとは思えない一糸乱れぬアンサンブルはちょっと他で聴こうと思っても難しい。録音の音質も良く、1枚に編集されたものも出回っているが(実は僕が持っているのはこっち)、2枚組みの方をお勧めする。

Mouse On Mars / Instrumentals

Mouse On Mars / Instrumentals
label
Thrill Jockey
released
2000
comment
Oval とともにジャーマン・エレクトロニカの代表格である、マウス・オン・マーズの97年の作品。この作品ではこれぞトイ・エレクトロニカといった感じのかわいらしくもシャープでファンキーな音楽が展開されている。全編ラップトップによる音響で作られているが、その音は繊細で緻密、しかも空間を全て埋めてしまうものではなく、それが再生されている空間にぽつぽつと現れては消えていくような、正に音響としての完成度は高い。さらにそのファンキーという要素は、彼らはライブでは生のエレキ・ギターやドラムスを用いたパフォーマンスをするらしく、それも納得できるような内容でもある。可能な限りコンピュータが歌った、そんなアルバム。

ZNR / Barricade 3

ZNR / Barricade 3
label
ReR
released
1976
comment
フランスのアンダーグラウンドで地道に音楽製作を行っていた3人組による作品で、現代版サティとも言われているらしい。筆者は彼らに対する知識はほとんど持ち合わせていず、他の作品が入手可能なのかどうかもわからないが、この作品はその手作り感覚など、とても好感の持てる内容となっている。イメージとしては MUMあたりのトイ・エレクトロニカの感じを思い浮かべてもらうといいかもしれない。あれにジャズとクラシックの風味を効かせたた感じで、フランスの日常をそのまま音にしたような感じだろうか(フランスに行ったことはないが)。まさに現代版サティとは言い得て妙、音楽そのものも彼から直接影響を受けていることがわかる。

Ryoji Ikeda / +/-

Ryoji Ikeda / +/-
label
touch
released
1996
comment
池田自身が「真のデビュー作」と位置づけるアルバム。おそらく(コンピューター上で)一つ一つの音の波形をデザインすることから、彼の「作曲」は始まっているのだろう。無駄と言えるような音は全くなく、スティーブ・ライヒやフィリップ・グラスとは完全に違った形で、ウルトラ・ミニマルな音響世界を構築している。超高音(中には聞き取れない人さえいるかもしれないほど)であったり音程のわからないような低周波ノイズであったりといったそれらの音は、じわじわと精神的な高揚感を高めていくような音楽とは正反対に、脳神経、いや「聴覚」そのものに直に働きかけ、不安なトランス感覚を作り出していく。その意味においてこの作品はきわめてラディカルで、プリミティブだ。真に衝撃的といえる作品。

Jim O'rourke / Bad Timing

Jim O'rourke / Bad Timing
label
Drag City
released
1997
comment
シカゴを中心とした、いわゆるポスト・ロック勢に「アメリカーナ」と言うキーワードを提示した、エポック・メイキングな作品。カントリー/ブルースギタリストのジョン・フェイヒィを手本とした透明なアコースティックギターの響きは、それまでの(わざとやっているところもあったであろうが)ポスト・ロックのオーヴァー・プロダクションなサウンドの中にあって極めて新鮮なものであったようだ。アメリカのルーツ音楽へと向かうその姿勢は、ジョン・ゾーン以下ロワー・イースト・サイドの人脈(特にビル・フリゼールなど)と完全に共振するものである。しかしテープ操作等スタジオワークを極めた彼のことであるから、耳を澄ませば極めて緻密に織り込まれた微細な音の数々を見て取ることができる。その完成度は他に比類がないと言っても過言ではない。

Area / 1978 - gli dei se ne vanno, gli arrabbiati restano!

>Area / 1978
label
URLO
released
1978
comment
デメトリオストラトスが在籍するアレアの最終作。この作品を残し彼は1979年に白血病で亡くなってしまう。しかしこの作品の完成度は圧倒的だ。実はものすごい変拍子だったりするような曲も突き抜けるような演奏で聴く者を圧倒していく。例えば冒頭の曲からアレアここにありというようなアンサンブルが聴けるし、2曲目では日本のシカラムータにも通じるようなエスニックなメロディーを奏で、4曲目では完全アコースティックな楽器のみを使用しているにもかかわらず、他ではほとんど聴くことができないほどパワフルな演奏を展開している。しかし楽園を連想させるジャケットに象徴されるようにその音楽は明るく、やさしさに満ちている。ここまで暖かい音楽は他の彼らのほかのアルバムでは聴いたことがない。そしてやはり最も注目すべきはデメトリオのヴォーカリゼーションで、正に唯一無二、他では絶対に聴くことのできない世界がある。ジョンケージやピエールブーレーズにも大きな影響を与えていただけに、発展的な音楽展開が期待されたが、それを果たさずして世を去ってしまったことはつくづく悔やまれる。ジャケットにあるような安らぎを得ていることを願いたい。

Christian Marclay, Gunter Mullar / Live Improvisations

Christian Marclay, Gunter Mullar / Live Improvisations
label
Locus Solus
released
1999
comment
世界初のターンテーブルプレーヤーと言われるクリスチャンマークレイのプレイが聞ける(数少ないらしい)アルバム。彼は「メディア」との対峙ということを活動の中心にしており、例えばA面が完全に無音のレコードを作ったり、人の頭、首から肩、腕がそれぞれ写っている既存のレコードのジャケットをつなげ合わせたコラージュ作品(?)なども手がけている。彼のプレイはヒップホップ等の演奏とは完全に別物であり、その演奏スタイルはミュージックコンクレートの流れにあるものである。さまざまな素材から演奏に必要な部分をカットアップし、ペーストしていく手法はサンプラー以前ではかなり衝撃的なものであったのではないだろうか。このアルバムではその彼にスイス人ドラマーのギュンターミュラーが絡む。このサポートが絶妙で、エレクトロニクスも操るのビートにあわせてマークレイがロックを流すところなど、両者の技に聞きほれてしまう。中古では比較的入手しやすいようなので、この手の音楽に興味がある人は必聴。

John Zorn / Cobra

John Zorn / Cobra
label
Hathut (Reissue)
released
1994
members
Jim Stanley trombone; Carol Emanuel harp; Zeena Parkins harp; Bill Frisell e-guitar; Elliott Sharp doubleneck guitar/bass, voice; Arto Lindsey e-guitar, voice; Anthony Coleman piano, keyboads; Wayne Horvitz piano, keyboads; David Weinstein sampling keyboads; Guy Klucevsek accordion; Bob James tapes; Christian Marclay turntables; Bobby Previte percussion; J.A.Deane trombone, electoronics; John Zorn prompter
comment
ニューヨークのロワーイーストサイドを拠点とするフリーミュージックのオールスターの音楽家たちによる集団即興音楽。といってもいわゆるフリージャズのような激情的な音楽ではなく、ミュージックコンクレートのようなコラージュ的なサウンドが全編を占める。ここでジョンゾーンはアルトサックスは吹かず、プロンプターとしてそうそうたるメンバーがそれぞれの「声」を吐き出していくさまを演出している。吐き出されるアイディアはその時その時で全て消費、燃焼され、まるでテレビのチャンネルを回すように現れては消える。全編を占めるゲーム感覚の中、ビルフリゼールはFly Me To The Moon、ガイクルセヴェクはトルコ行進曲といった各々のルーツを吐露し、次の瞬間にまた別の方言に取り込まれていくさまはスリリングでありつつも楽しい。万人に進めることのできるアルバムではないが、フリーミュージック、コラージュミュージックに興味のある人はぜひ。