理想は完全米飯化―学校給食の主食を考える
ご飯給食が週 3回の相模原市の小学校。だが 4月、同市の一部の学校給食で“異変”が起きた。東京電力の計画停電の影響で、市内72校のうち、25校は毎日ご飯、33校は毎日パンの給食になった。全国的に給食の米飯化が進むなか、突如として実現された完全米飯給食と、後戻りした完全パン給食。
毎日ご飯だった市内のある小学校。ご飯好きな子には大好評。パン好きな子は「 4月は寂しかった」「パンはおかずに合わないけど、パンだけでおいしいから」との声。毎日パンの小学校では、パンの種類がロールパンとコッペパンだったが、それでもパン好きな子にとっては「ずっとパンでいい」「家ではいつもご飯だから」。両校とも「毎日は飽きた」という声も。
市教委によると、計画停電で炊飯に支障を来すことを懸念。全校の給食を委託業者のパンにする案もあったが、日によってパンとご飯を、学校ごとのシフト制にしているため、全校分のパンを作れなかった。このため、委託米飯の14校以外は、計画停電対象地区の学校を毎日パン、同対象外の学校を毎日ご飯にする緊急の措置を取った。
市内のある小学校の栄養士は「ご飯好きになってほしい。でも、食べさせたいものと、子どもが食べたいものとは合致しない。バラエティに富んだものを食べさせたい」。別の小学校の栄養士は「栄養を考えるとご飯の方がいいが、パンと混在しているのが現代社会。一つの食文化を教えるうえでパン給食も必要」。
保護者からは「いろいろなものを食べるのは食育でなく“お楽しみ”。日本人なのでご飯が主の和食で育ってほしい」。「社員食堂だって介護施設だって基本はご飯なのに…」の声も。
横浜市医師会学校医部会の小児生活病委員会委員長で小児科医の相澤扶美子さんは「本来ならば完全米飯給食が理想。パンには油が含まれているが、ご飯には基本的には油は含まれていない。パンでは腹持ちが悪く、帰宅後に家で甘いお菓子を食べてしまう可能性もある」と、子どもの健康を危ぶむ。また、菓子パンが主食の給食には特に違和感を覚え、「お楽しみも必要だが、今の世の中、家でもお楽しみだらけ。もはや給食でお楽しみを教える時代ではない。普段の食事が(飽食の)お祭りなのだから、給食ぐらいは粗食でいいのでは」と提言をする。
(2011年6月6日 神奈川新聞)
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