会の趣旨 よくある質問 おむすび通信 講演会 連載 入会案内 支部の案内 給食ニュース 掲示板 リンク
ホームページトップへいきます  
国産の小麦
連載

  

 『給食のメニューが変?』    

 『スーパーニュースアンカー 「金曜日のギモン」
 関西テレビ 2010年 6月11日放送より抜粋   
      

  「学校給食は菓子パンやラーメン、そんなのばっかり。これで健康や食育を語る資格があるのか」 (幕内秀夫さん) プロ野球・埼玉西武ライオンズの工藤公康投手などスポーツ選手の食生活指導や、病院の食事相談を行う管理栄養士の幕内秀夫さん。
 
 幕内さんは現在、学校給食のおかしさを指摘し、改善を呼びかける講演を全国で行っています。
きっかけは、娘の学校給食でした。
「娘の学校給食はハンバーガーやホットドックにラーメンばかりで、ごはんと味噌汁という普通の献立はほとんどなく、びっくりした。『ファストフードは減らしましょう』といいながら、学校給食でハンバーガーやラーメンを一緒に出している」(幕内さん)
 幕内さんは、全国の小学校の献立表を保護者などから集め、変だと思った給食を再現し、本にまとめました。
 その名も「変な給食」。
 カレーうどんにアメリカンドッグ、小倉白玉に牛乳。
 生徒からのリクエストメニューということで、チョコチップパンと、ワンタンスープにたこやき、さらにヨーグルトドリンクとアイスクリームに牛乳。
 「変な給食」ではこのほか、「パンなのに和食のおかずと、うどん」といった組み合わせのおかしなものやファストフードのような学校給食、73点を紹介しています。
 幕内さんはこれらの給食は、砂糖や油を大量に使っていて、子どもの肥満を助長しかねないと指摘します。
 「子どもにおもねっている、子供が好むからという。子どもにアンケートとったら、アイスクリーム食べたいというかもしれない。聞くほうがおかしい、教育放棄ですよ。算数や理科と一緒で、本当に子供にいいと思うものを食べさせるべき」(幕内さん)
 
 「変な給食」としてとりあげられたことをどう思うか、掲載された自治体にアンケート調査を行いました。
 回答のあった23の市と町のうち、半数近くが「特に意見はない」や「変だとは思わない、見直すつもりはない」といった反応。
「今後、見直したい」という声はわずか 2割でした。

 一方、給食の献立を考える上で難しいことは何かと尋ねると・・・。
 「子どもたちが残さず食べて、栄養摂取基準をみたす献立作成は難しい」
 「洋食・濃い味・麺や丼という児童生徒の好みと和食・薄味といった望ましい食事内容とに隔たりがある」という意見があり、栄養バランスがよく、かつ食べ残しが少ないメニューをつくるのが難しく、子どもの好みに合わせざるをえない、という本音も垣間見えました。
 
 文部科学省は「変な給食」と指摘された献立について、「ある一日の給食をとりあげてコメントするのは適切ではない。麺だけが主食だと子どもが飽きる。味の変わるパンと麺をあわせることで、十分な栄養がとれ、食べ残しが減らせるという工夫ではないか」との答え。
 確かに子どもの好きな給食メニューは「カレーに麺、デザート、パン」。
 食べ残し問題の解決のためなら「麺にパンにデザート」なんて組み合わせも「アリ」なんでしょうか・・・。

  栗東市ではこれまでの給食のあり方にギモンを感じ、いち早く給食改革に取り組みました。その改革内容とはどのようなものなのでしょう。
 「(以前は)スパゲティに小さいパンをつけるなど、炭水化物がどうしても多い組み合わせがあったが、ごはんにすることで、一汁二菜を基本にした献立にすることができた」(栗東市 南井里美栄養教諭)
 栗東市は給食を「ごはんと和食」にすることが、子どもの食の問題を解決する鍵だと考えました。
 「米飯給食を週三回以上実施」という文部科学省の目標をクリアした小中学校は、2008年度で全体のわずか4分の1。 しかし栗東市は、4年前から月 1度、パンを出す以外は、給食の主食をすべて「ごはん」にしたのです。
 「食の欧米化に伴い、家庭での朝食がパンになっていると感じた。お昼もまたパンだと本来給食の持っている目的から外れる。また洋食はスープ、ハンバーグ、シチューとかまずに飲み込めるものが多い。アゴの発育・脳の発達にも影響が出るのではないかと思い、給食を変えた」
(完全米食化に取り組んだ 千代彰元栗東市給食センター長)
 お米は地元・滋賀県栗東産。地元の食材の消費も広がり、「地産地消」にも一役買います。
 この日のメニューは麦ごはんに鰆のねぎみそ焼き、青梗菜のゴマ炒め、肉じゃが。
 導入当初は、和食に慣れず食べ残しも多かったそうですが、今では、ごはんもおかずもモリモリ食べます。
「おいしいからおかわりした」(児童)
「(好きな給食メニューは)魚や野菜やハンバーグ」
(児童)
 給食費は、一食 250円程度とパンのときと変わりません。 栗東市では、食べなれない味や苦手な味を体験させるのも教育のひとつだと考えています。

  芦屋市立浜風小学校の栄養教諭・奥瑞恵先生。
給食を「生きた教材」だと考えています。 芦屋市は、それぞれの学校で、給食の献立を考え、調理します。
 奥先生はそのメリットをいかし、 5年前から年二回、 6年生に給食の献立を作らせています。
児童は予め、42種類の料理の中から組み合わせを考え、後日、ビュッフェ形式で、調理師がつくってくれた料理を自分が考えた献立にそって、選ぶのです。
子どもたちが、パソコンソフトにはいっている料理を選ぶと、エネルギーや脂肪、食物繊維などが足りているかを示すグラフが出ます。
「好きなようにしたら、大変なことになる!脂肪がめっちゃ多くなる」(児童)
「クロワッサンは油がすごく多いのよ、だって小麦粉とバターがねりこまれているやんか。 麦ご飯にしてみて」
(奥先生)
「すごい、めっちゃかわった」(児童)
児童の一番人気はほうれん草の胡麻和え、二番目は筑前煮。
 献立をたてる中で、自分の好きなものだけ食べていると栄養が偏ることや、和食のすばらしさに気付くといいます。
 「学校給食を子どもの好きなメニューばかりにするのはおかしい。子どもに伝えるべきものあると思う。子どもたちは正しい食事の選び方がわからないのだから」(奥先生)

子供たちが食事の大切さに気付くよう導くのも教育です。
栄養士や教師、保護者や自治体など、社会全体が、給食を「学びの場」としてとらえ、子供と 根気よく向き合う。
それが実を結んだとき、「変な給食」はなくなるのかもしれません。


『おむすび通信61号』より

● 連載トップへ戻る 
All contents © copyright 2004 Gakkoukyusyoku to Kodomono Kenko wo Kangaeru Kai, All Rights Reserved.