JCO臨界事故9周年全国集会
場所 茨城県東海村

 99930日、日本の原子力施設で恐怖の臨界事故が発生し、労働者3名が大量の放射線を浴び、2名が壮絶な死に至りました。さらに600名を超える住民が被曝させられ、30万人もの方々が屋内退避を強いられました。しかし、このJCOの臨界事故から9年、事故の記憶も薄れつつあるなか私たちは決して臨界事故を忘れてはならないし、風化させてはなりません。また、健康被害賠償裁判をたたかっている大泉さんへ水戸地裁は、JCOの主張のみを鵜呑みのうえ非業にも不当な「棄却」判決を出しました。これに抗し上告審たたかう大泉さんと連帯を強めることと、各地の反原発運動の交流と全国闘争強化の意思統一のため標記集会が928日、東海村で開催されました。

 主催者あいさつで原水禁国民会議事務局超福山さんは「JCO臨界事故以降も東電に端を発した02年事故隠し・関電のMOXデータ改ざん・六ケ所の手抜き工事など臨界事故がなんら教訓とされていない。同時に柏崎刈羽原発は、原子力施設の安全性が大きく問われ、原発震災の可能性を目のあたりにした。また、原子力空母の横須賀母港化は、神奈川・東京のみならず関東圏全域に改めて原子力の安全性が大きな問題となっている」、「一方、G8では『原発が温暖化の救世主』などとしているが、原子力推進側の問題点について大きく国民に訴えていく。原子力政策転換のために全国の仲間とがんばり合おう」としました。

 『原発は地球温暖化の切り札じゃない』と題した講演で原子力情報資料室共同代表の西尾さんは「核分裂でCO2は確かに出ないが、100万kw級原発は鉄を8.3万トン、コンクリートを12万トンを消費する。この製造過程で大量のCO2を放出量する。建設重機の排出量やウラン濃縮による排出量・高レベル廃棄物の後始末など放射能のゴミの山処理の排出量など推進派は何も言っていない」、「原発バブルで今後、50基を超える原発が建設されるとしているが老朽原発の代替すらできない。また、現実の設備利用率が年々低下し60%代まで落ちている、その対応として定期点検を最大24カ月まで延ばしたり、510%出力アップする危険な動向がある。そういう意味で原発頼みは数字合わせでしかない。原発をつくれば火力が必ず必要で逆に有効な対策を妨害する」としました。

 その後、行動課題提起で大泉さんは「227日、水戸地裁裁判長は私たちの5年間のカルテを一顧だにせず、JCOの言い分だけで『棄却』の判決を出した。JCO弁護士も原告に対して『精神的苦痛などは詐欺の類いだ』など無神経な放言を浴びせた。こんな予断と偏見に満ちた不当判決を許すことはできない。東京高裁でもたたかい抜く」と決意を表明しました。

 柏崎刈羽原発の取り組みの状況、神奈川の原子力空母の横須賀母港化問題や福井からのもんじゅ再稼働問題について各県の代表から全国連帯と行動要請がなされました。

 JCOに、住民謝罪を求め、裁判闘争勝利・柏崎原発やもんじゅの運転再開反対・六ケ所再処理工場の運転停止・原子力空母横須賀母港化NOなどを内容とする集会アピールを採択後、東海村内をデモ行進して一連の行動を終えました。

  
                 東海村の中をデモ行進。右上新潟県原水禁。


    

                集 会 ア ピ ー ル

 19999月、忘れられないJCO臨界事故。あれから9年が過ぎた。こんにちの原子力をめぐる状況を見ると、JCO事故後、相次いだ電力会社のデータ改ざんや事故隠しなど、安全をゆるがす問題が発覚し、モラルハザードが露となった。今年のG8サミットでは、時の総理が無邪気に「地球の温暖化の切り札」として、原子力推進をぶちあげたが、原子力の巨大なエネルギーはまた、巨大な破壊力をともなっていることを忘れてしまったと思われる。現に、柏崎刈羽原発は、地震という自然災害による被害で「原発震災」となることを現実の脅威を目の当たりに示した。

 08年の今年、925日、アメリカ原子力空母ジョージ・ワシントンが横須賀に入港し、首都の眼前に日本の主権の及ばない危険な区域を出現させた。日米軍事同盟関係が深まり、軍事的、政治的緊密度も、危険も深まった。この空母には、原子炉2基(計熱出力120万kw)を搭載しており、通常でも低レベルの廃液を放出しているし、万一の事故の際の危険は、神奈川県は勿論、関東一円にまで放射能の影響が及ぶのである。

 また、日本原燃の六ケ所再処理工場は試運転中だが、ガラス固化装置のトラブルが相次ぎ、中断している。本工場の試運転もまた再三延期されており、再処理施設の真下に活断層が確認され、これが動けば大変な災害を生じる恐れがあると指摘された。このような状況のもとで運転はすべきではない。これ以上の税金の無駄遣いは止め、このまま停止すべきである。

 JCO事故健康被害裁判は、東京高裁で控訴審がたたわれているが、被告JCOは、一刻も早く切り捨てたいという態度を露にして、住民に対する謝罪を認めようともしない。住民に対する支援とJCOへのさらなる糾弾を必要としている。いま、東海村の地域にある日本原電・東海2号炉が老朽化しつつあるにもかかわらず、プルサーマルを実施しようと計画中であるが、これは危険を倍加させるなにものでもない、断じて許してはならない。

 このようななか、日本のプルトニウムの保有量が、31トンを超えたと伝えられた。余剰プルトニウムを持つという国際的に孤立した方向にすすんでいるとき、さらに、プルトニウム路線を取り続ける、時代錯誤のような政策は直ちに止めるべきである。

 9年前のJCO臨界事故を糾弾し、安全を高め、安心をもたらすために集まった私たちは、各地からのたたかいの報告と反原子力の行動課題について議論をし、下記のような確認ををおこなった。

1.原発は地球温暖化の切り札なんかじゃない!

1.六ケ所再処理工場はそのまま全ての運転を停止せよ!

1.地震による災害を防げ!柏崎刈羽原発は運転を再開するな!原子力空母の横須賀母港化 NO!

1.「もんじゅ」は運転再開するな!MOX燃料の輸送を止めよ!

1.JCOは臨界事故の非を認め住民に謝罪せよ!

1.JCO事故健康被害裁判・控訴審を勝利しよう!

2008928

JCO臨界事故9周年集会 参加者一同