アメリカと日本の医療保険制度(概要)
| <日本> |
| 原則として全国民が公的健康保険制度に加入。 雇用者(被用者)(及びその被扶養者)を対象とする政府管掌健康保険や組合管掌健康保険などの被用者保険制度と、自営業者や自由業、無職者などを対象とする国民健康保険制度、高齢者を対象とする老人保険制度がある。 健康保険制度の種類と対象等についての詳細はこちらのサイト参照 診療費は出来高払いであり、被用者保険制度の被保険者は掛かった費用の2割、その被扶養者は3割、国民健康保険の被保険者は3割を自己負担する。 また同月同医療機関での医療費が高額な場合は上限を超える金額の差額返還を受けることができる。 保険料の算出法は住民登録をした自治体によって若干異なるが、主として被保険者の前年の所得、資産、被扶養者の人数等によって決定。また、年間保険料には限度額が設けられている。 医療を受けた場合の費用は同じ医療内容であれば全国でほぼ同額。また医療機関を自由に選ぶことができる。 病院の個室等に入院した場合の差額、歯科の特殊な治療の治療費等、標準とされる医療サービスを超えるものは自己負担。また、予防接種、健康診断などには保険が適用されない場合がある。 |
| <米国> | |||
| 公的保険と民間の保険会社が提供する保険の混合。 公的保険は社会保障プランであり、高齢者及び障害者を対象にしたほとんど自己負担のない「メディケア」と低所得者を対象にした「メディケイド」がある。 その他の国民一般は主に民間の営利・非営利保険者の医療保障プランに加入する。勤務先の会社が雇用者の保険の一部を負担する民間被用者保険と、自営業や自由業、雇用先が保険に加入していない雇用者などが個人で加入する民間保険がある。 主な民間医療保障プランは出来高払型(fee for Service)と管理医療型(Managed Care)に分けることができる。 1965年にメディケアが制度化したが、これには高齢者社会に向けて過剰医療や医療費の増加を抑える仕組みがなく、貧困者層の増加と相成ってメディケイドと共に医療費の公費を急速に圧迫した。 また、医学と医療技術の進歩に伴って、高性能な医療機器の導入・新薬・新しい技術を持つ医療従事者の増加が起こり、医療コストは高くなっていった。 このため、過剰医療などを監視し医療費を抑制する試みとして導入されたのがHMOを中心とする管理医療型プランである。 ◎出来高払型(FFS) 日本の公的保険と似ている。自己負担率が決まっていて、掛かった診療費×自己負担額を支払う。また自己負担額には上限が設定されている。 患者が自由に医師や医療機関を選ぶことができる。 診療内容によって保険適用の金額の上限が設けられている場合もあるが、基本的にはプランは医師の治療内容に対して干渉しない。 使い勝手がよく、使用する薬などに制限のない充分な治療を受けることができるが、保険料が高く他のタイプよりも自己負担分が高い場合が多い。 1990年初めまではこのプランが一般的であった。 ◎管理型保険(マネージドケア) 予め保険加入者と保険者と医師の間で医療や介護サービスの提供とその費用の負担についてを取り決めておくプランであり、保険者には非営利の健康保険法人と営利の保険会社がある。 医療保障プランには数種類のタイプがあるが、それぞれのプランは医療の方法・質・コストを管理する仕組みであり、保険加入者の代わりに医師たちと交渉する。 プランは医師のネットワークを持ち、ネットワーク内の医師に顧客の供給を保証する一方で、プランで決められた支払い上限額の中で被保険者に医療や介護サービスを提供する。よって、プランのネットワーク外の医師を利用する場合は自己負担額が大きくなる。 医師・医療機関の自由度はPPO>POS>HMOであり、それに比して保険料が高くなる。 70年代から公的医療費の抑制のため、政府によるHMO普及の支援政策がとられ、メディケアとメディケイドもこれを導入。福利厚生費を抑えたがる企業が次々とHMOに加入するようになり、90年代には主な保障プランとなった。しかし、一方でHMO利用者や医師からの不満が高まり、HMO訴訟が頻発するようになった。 主な不満理由は (1)利用者が医療機関を選択する権利が限られていること。 (2)医師の治療内容に対する管理が厳しすぎること。 (3)コスト削減が優先されすぎていること。 これらのことから患者が必要とされる治療を受けることができない深刻な問題が起こるようになった。 |