北限のヤブ椿を求めて 青森・夏泊
2003.5.3


  予告どおり、今年のゴールデンウィークは、北限のヤブ椿を求めて青森まで足を延ばした。しかし、その前に・・・とに
かく青森は遠い。同じ東北とは言えど、ナビによる距離は、去年行った横浜・こどもの国をはるかに越えるのでした。
恐るべし、東北。
  朝6時起床。向かうは青森の夏泊半島。                                                                       
 折からのゴールデンウィーク ラッシュも思ったほどではなく、途中朝食の
休憩を入れても東北自動車道の終点青森には11時を過ぎたころには到
着した。 しかし、実はここからが一苦労だったのです・・・。          
 目的地に向かう道路は、1本しかなく、その途中にある浅虫温泉の水族
館へと向かう大渋滞に巻き込まれてさあ大変。まったく進まぬ車の中で腹
はすくし、のどは乾くし、トイレにも行きたい。何とか椿山に到着した頃には
1時を回っていた。 ところが、これらの苦労もすぐに吹っ飛んだ。 とにかくこれまで、渋滞の道す
がら、あたりの景色を眺める時間は余りすぎるほどあり、目を凝らして山の椿を探してはきたものの、今の今までこれ
が1本として見つからず、「もしかしてこれはとっても小さい規模なのではないかしら。何せ北限だし。」と不安を覚えてい
た矢先、突然ヤブツバキの林が出てきたものだから、はっきり言って感動。「良くぞこんな北の地で、ここまでおがって
(育って)くれたものだ。」と目頭ウルウルものでした。当日は、平内町観光協会の「椿とサボテンまつり」ののぼり旗も
潮風にゆれ、真っ青な空に緑の葉も照り、満開の真紅の花がとりわけ美しく咲き乱れていました。
               ところで、ここ椿山には、悲恋の伝説がある。                          
 南から来た旅の男が地元の美しい娘と恋におちた。小高い丘に登り将
来を誓い合った二人だが、男はあるとき村を離れ、故郷に戻ることになっ
た。娘は「今度会うときには、あなたの故郷の南の国の椿の実を持ってき
てください。」と願えば、男は必ず実をもって戻る約束を娘に告げた。男が
去って、どのぐらいの月日がたったのだろうか。                                  
この間、娘は男の帰りを毎日小高い丘の上で待ち続けていたが次第にや
せ衰え、ひっそりと息絶えてしまった。                                              
ある年の秋、やっと男は故郷から椿の実を胸に抱いて、この村に降り立っ
たが、思い出の丘の上にあの娘の姿を見つけることはできなかった。    
泣き崩れた男の胸元から落ちた椿の実は芽吹き、この椿山ができたとい
う。科学的には陸奥湾の中央に位置する夏泊半島に、海流によって流れ
着いた椿が発芽、自生することになったのだろうが、 まさにここ椿山にだけ椿の古木が残っていることを考える
と、心情的に伝説が本当の事であってほしいような気もする。ここの椿で驚いたことがもうひと
つ、その花形や色の多様さ。抱え咲きから筒咲き、侘助咲きなどな
ど、これほど様々な花が自然に繁殖したとは、今まで見たことがなか
ったのです。(余談ではあるが、椿山の散策路の入り口の前には何軒
かのお店が立ち並んでいる。ここのホタテ焼きは絶品。しかも1個10
0円という価格はおどろき。思わずここで6個のホタテを平らげてしま
った。)椿山散策路はとても手入れも行き届いており、祭りの期間だか
らかもしれないが、下草刈りもきれいにすんで、とても見やすく歩きやすい。椿のトンネルに囲
まれ、しばし至福の時を感じてしまうのでした。
    
 名残を惜しみながらも次の地へ。「椿とサボテンまつり」のもう一箇所の会場夜越山森林公園。会場の前ではまたま
たホタテ焼き。こちらは3個で200円。再びむさぼりついた後、公園内へ。と、ここではたと気づいた。ここは、サボテン
まつりなのである。つまり2箇所で椿まつりをしているのでなく、椿山の椿まつりとこの場所でのサボテンまつり・・・。どう
せだったらもっと椿山で楽しんでくるんだった。せっかくなので、森林公園を探索。しばらくすると一区画、まだ小さいな
がらも椿が多数植栽されていた。こちらはヤブ椿に混じって多くの園芸品種があるみたいなのだが、名札がついていな
いのがとても残念。今のうちに記録しておかないとわからなくなるかも。
 今年の青森は春が早く(山形もそうなのですが)、夜越山森林公園をはじめ、次の日に向かった弘前城の桜も八重咲
き品種やしだれ桜をのぞいてはすでに葉桜。そんな中でも、たくさんの人たちが桜の木下で花見を楽しんでいました。
でも、身近にこんなにきれいに咲く椿があるのに・・・。確かに桜は日本人の心の花であることに間違いはないのだけれ
ども、同時に世界に誇れる日本の花、椿にもぜひ市民権を持たせたいのです。なんてったって、Camellia Japonicaで
すから。
        

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