---短期バイトの罠---
2002年12月 大阪の某所にて
バイト前日の夜
今まで特に大阪に来てからバイトと言うものをすることのなかったおかげで
少しばかりか、いや・・・
レンタルビデオ店に男二人で
新作洋画や邦画などに目もくれずアニメコーナーでガンダムを探すほどの
緊張感に襲われてました。
要するに一睡も出来なかったって事だ。
そして・・・
この短期バイトは派遣会社に紹介してもらった仕事で
8時に出発の報告電話を入れなくてはならないらしく
実際には自宅を9時にでればいいのだが。
まあ眠たい目を擦りながら気がつけば7時50分ほどになっていた。
「ああ・・・電話しなきゃなぁ」
「えっと、○○○ですが。今から○○運輸さんの仕事へ出発します。」
とりあえず少し緊張したけど報告完了だ。
そして色々支度して8時45分に家を出た。
9時半にメンバーと合流して一緒に仕事場にいくそうだ。
到着
誰もいないんですが・・・・
9時5分に着いちゃいました。
とりあえずイップクしながら待っていた。
おっと忘れてた
到着の報告もしなきゃならないのだ。
こういう所が派遣のメンドイところだな。
「えっと、○○○ですが。ただいま到着しました。」
「その辺りに、黒いジャケット着てジーパンはいてる人いませんか?」
「へ?ん〜・・・・・・・いるし!」
「ではその人と合流して、あともう一人くるはずとお伝えください。」
「はい。わかりました。」
そんな感じでひとまず合流。
とりあえずいい人ぶって話かけてみるか。
「あ、はじめまして〜。今日はよろしくお願いしますぅ。アハハーナンチャッテ」
「こちらこそ!」
なかなかいい人かも!?
「あと一人来るらしいですよぉ」
「うん、そうらしいんだけどねぇ」
「あそこに立ってウロウロしてる人怪しいですよねぇ」
「やっぱそう思う?」
「あ・・デモどっか行きましたねぇ。アハハー」
「あそこの青い服の人とかは?」
「あ・・アレだねぇ。声かけて来ますわ。」
そんな感じでメンバー3人合流に成功
とりあえずリーダーらしき黒ジャケットの男を先頭に歩きだした。
徒歩2分で到着・・・
10時開始なのに30分も早く着いちゃったよ。
とりあえず指定されたビルの2階に上がりその会社を探す。
ぬぁい!!ない!ないぞぉぉ!
図られた。まんまと騙されたのか?
いや、そんなことはないはずだ。
このときはの衝撃はその後の衝撃の比ではなかった。
とりあえずそのビルの前で3人苦笑いで立ち尽くしていた。
10分経過・・・
すると白い軽自動車(バモス)からお婆さんと5歳ほどの子供が降りてきた
「あんたら、今日頼んでおいたお手伝いさんかい?」
「ああ・・○○運輸さんからの依頼です。」
「あれ?じゃあ違うねぇ。」
違うんかい!
また来たよ!来ちゃったよ!あのお婆さん。
「でもやっぱりあんたらだと思うけどなぁ」
「派遣されて来たんですが・・・」
「ちょっと待っててなぁ。電話して聞いてみるから。」
またどこかへ行った・・・
バイト初日からワケワカンネーナー!
でもどうやらお婆さんの依頼が派遣会社までに
いくつかの会社が間に入ってて少し手違いがあったようだ。
とりあえず依頼人との合流に成功。
今更だが今日の仕事は「搬入および搬出で4時間労働と聞いて来たわけだ。」
誰もが予想し得ないことが起きるのもそう遠くはなかった。
ビルの前にはゴミのように出された棚やら色々あったので
てっきりソレをトラックに積めばいいんだとばかり思っていた。
まあ余裕しゃくしゃくで3人で軽い会話が続けられていた。
少し遅れたがついにトラック到着!
お婆さんが「コンテナで来るはず!」と連発してたけど無視!
これでようやく仕事に取り掛かれるぞ!
トラックから降りてきた兄さんは少し強面・・・。
とりあえずお婆さんの後について歩いた。
あれ?あれ?あれぇぇぇ?
おもてにあったゴミを余裕で素通りしたんですもの。
ショックを受けながらもビルに入り2階へと・・・
静かに扉は開かれた。
どぉぉぉぉぉん!
一瞬、強面の兄さん含め4人とも声を失い止まった。
DUOだ!うわぁぁぁ!ザ・ワールド使われた!!
帰りたいよ・・ママン
恐る恐ると部屋に入ると、そこには・・・
ペルシャ調の絨毯の山
その時はソレしか見えてなかった。
更なる強敵がいるとも知らず・・・
しかし間も無くソレに黒ジャケットのヤツが気づいた。
口開いたまんまですよ!
その洒落にならない強敵とは。
ご紹介しましょう!本日の痛いヤツ!
その名は!!
大理石
もれなく17点ありました
とりあえず確実に俺より重いのは分かった。
そんなこんなでダチョウ倶楽部の上島もウハウハな
「聞いてないよ〜」の使い時にもっとも適した状態に仕上がった。
とりあえず依頼人と作業の段取りなどをして仕事を始めた。
改めてペルシャ調絨毯の山を確かめると、ヤツより手強い気がしてきた。
まあ文句もタラタラ垂れながらしょうがないので数百枚の絨毯を一枚づつ巻いていた。
すると値札なんかが見えました。
1畳ほどの大きさのヤツで3万とか・・・
「アハハー!ぜってー買わネーヨこんなのー!」
そんな会話が続いていた。
でたぁぁぁぁぁぁぁ
160まんいぇん!
ペルシャ調じゃなくてペルシャでした!
でもそんな事はすでに後の祭り
土足でガンガン踏んでます。
手荒な真似とか平気です。
そんな中でお婆さんの一言
「ペルシャの絨毯は汚いほど売れるんだよね!不思議でしょ?」
その言葉を聞いて俺のとった行為は
迷わず靴脱ぎました。
靴より俺の靴下の方が強敵なのは俺が一番よく知ってるからだ!
そんなこんなで俺の最上級の御もてなしの中、絨毯を巻いてました。
減らない
全然終わりが見えない!!!
というか・・・床が見えない。
気がつけばもうすでに2時。
本来なら仕事終了予定なんですが、全くです!
いまだ床見えてません。
そこでまたイライラしてる中、イライラを増大させるヤツがいたんです。
5歳児
絨毯の上で飛び跳ねて、巻いた絨毯を次々と破壊!
それはもう「ザクとは違うのだよ!ザクとは!」とでも言われたような気がしました。
しかも耳元で小声で「ハヤクシロヨ!」と言われたときには
「量産型なんで・・・」とでも言って謝りたかったです。
何故か俺はその子に好かれたのか、ずっと傍から離れてくれない。
そうするとまた小声でさっきとは比べ物にならないほどの事を耳元で囁かれた。
「ウチお父さんいないねん!」
「この前ね、警察に連れて行かれたねん!」
俺は20年生きてきたけど、それを言われて5歳児に返す言葉が見つかりませんでした。
そんな事もありながら巻いた絨毯からトラックに積むことになって、みんなセカセカと動き始めた。
重い・・・絨毯も重い・・・その重さから思うように捗らない。
そのまま当分は面白い出来事もなく着々と進んでいった。
ほぼ絨毯をトラックに載せたのは午後7時。
すでに5時間残業してます。
そろそろヤツにも手をつける事になった。
まずは小さいヤツからいくことになって、それでも長さ50センチほどの大理石。
二人がかりでエアークッションを巻いていく。
大きいヤツは1.5メートルほどの大物で、たまらない重さだった。
すべて巻いてトラックに載せたときには8時過ぎ・・・
ハッキリ言って俺はそんな大そうな体はしていない。
昔はそれなりに鍛えていたが今はむしろ貧弱だと思う。
そんな俺が朝から10時間経過した今、大丈夫なはずはない!!
腕も足もプルプルでした!
残るは小物と10数枚の額だけになった。
もう少しで終わりが見えてきたころ、黒ジャケットがサボってる・・・
参りました。
もうその頃の俺には余力と言うものは本気で残っていなかった。
額といっても変わっていて、ペルシャの手織りの布が絵になっていてそれを額に入れてあるだけで
そんなにたいした重さはなかったはずなのに
俺には通常時の10キロにも20キロにも感じた。
そんな感じで無事終了したときには心身ともにズタボロで9時になっていた。
ハッキリ言ってまともに歩けてませんでした。
帰りの道もいつもの数倍にも感じた。
この仕事をやって感じたことは・・・
図られた
でもそんな中でも年下のサッカー少年とは仲良くなれてヨカッタ
本日4時間予定の仕事が11時間労働でした。
あの時言えなかった事をココでブチまけます・・・
大理石割ってゴメンナサイ
しかもバレないようにカモフラージュしました。
ーーー本日の収穫ーーー
絨毯 278枚
大理石 17点(最大重量100キロ超)
額縁 10数点
小物 数十点