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糖尿病と養生について
糖尿病はどうして起こるか?
糖尿病とは、血液に含まれるブドウ糖(血糖)の量が異常に多くなった状態です。
ブドウ糖は脳や筋肉の活動に欠かせない大切なエネルギー源で、私たちの身体には食べ物に含まれる糖質をブドウ糖に分解して吸収し、それをエネルギーとして利用するしくみが備わっています。
そして、このブドウ糖をエネルギーとして利用する時に大切な役割を果たすのがインシュリンというホルモンです。
食事をした後は、食べ物から分解・吸収されたブドウ糖によって血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)ぐんと高くなります。
すると、身体はその血糖値の変化を察知し、膵臓からすばやくインシュリンを分泌させて、血液中のブドウ糖を脂肪や筋肉の細胞に取り込ませるのです。
ところが、何らかの原因でインシュリンが必要な量だけ分泌されなかったり、十分に作用しなくなると、ブドウ糖は細胞に取り込まれないまま血液中に残り、血糖値が高くなってしまいます。
では、どうしてインシュリンの分泌量が減ったり、うまく働かなってしまうのでしょうか。
近年、日本人の食生活は大きく変化し、脂肪が多く高カロリーな欧米風の食事を摂るようになりました。また、自動車やエスカレーターが普及し、運動不足になりがちです。
このような食生活の欧米化と運動不足によって、肥満体型の人が増えていますが、肥満し、身体に蓄えられてしまった脂肪からは、インシュリンの働きを邪魔する物質が分泌されることが発見されています。
また、ストレス社会と言われる現代、誰もが日常的にストレスをうけているといっても過言ではありませんが、このストレスは血糖値を上げる作用を持つホルモンを分泌させ、インシュリンの効きを悪くしてしまいます。
インスリンはすい臓のランゲルハンス島β細胞という部分で造られ、必要な時に必要な量を分泌できる仕組みになっています。ところが、遺伝的にインスリンを分泌する能力が低い人がいて、日本の糖尿病患者の大半がこの体質を持つといわれています。そして、このような体質を持つ人は、40歳以上になると分泌が特に不十分になりやすい傾向にあるため注意が必要です。
この他、病気や妊娠薬の副作用などで起きる場合もありますが、現在、糖尿病の9割以上はこのような生活習慣病と体質の2つの問題が重なり起こっています。
糖尿病はごく初期の段階では全くと言ってよいほど自覚症状がありません。
そのせいか、病院や健康診断で糖尿病の可能性を指摘されても「大したことはない」とほおっておく人も多いようです。しかし、放置しておくと、次のような恐ろしい合併症を引き起こし、取り返しのつかない状態になる場合もあります。
糖尿病の合併症が最も現れやすいのは、細い血管が密集している部分です。特に「腎臓、眼、神経」は毛細血管が集まっていいるために、障害がおこりやすくなりやすいと言われています。
感覚や運動をつかさどる神経が障害を受けると、痺れたり、痛んだり、筋肉が縮んだりして、さらにひどくなると感覚がなくなってしまいます。また、内臓の働きを調節する神経が障害を受けると、胃もたれや便秘・下痢が起きたり、立ちくらみや異常な発汗が起きることもあります。
光を感じ、脳に映像を伝える大事な役割を持つ網膜に障害がおこると、「眼がかすむ、糸くずのようなものがちらつく」といった症状から失明に至ることもあります。日本では成人の失明病因の第一位が、この糖尿病による網膜症害です。
腎臓では血液中の老廃物や有害物質をフィルターで濾過するようにしてこしとり、余分な水分と一緒に尿として排泄しています。腎臓が障害を受けると、フィルターの網目が粗くなって、本来は濾過されないタンパク質が尿の中に漏れ出します。さらに障害が進むと、濾過機能全体が不能となって血液の中に有害物質がたまり、人工透析が必要となる状態になることもあります。また、これらの合併症以外にも次のような特徴的な症状がよく現れます。
血糖値が高くなると、濃くなってしまった血液中のブドウ糖の濃度を薄めるために、水分が全身の組織から血管の中へと集められ、その水分がどんどん尿として排泄されるので、「多尿、頻尿」がおこります。また、たくさんの尿が出て体の水分がどんどん排出されると脱水症状がおこり、異常にのどが渇くようになります。ところが、いくら水を飲んでも、摂取した水分が尿として体の外に消えていく状態を指して、漢方では糖尿病のことを「消渇」とも呼んでいました。
これら以外にも、「疲れやすい、食欲が異常に湧く、痩せてくる」など、糖尿病から起こる可能性のある症状はたくさんあり、どのような症状がいつ現れるかは、人それぞれ違います。
しかし、糖尿病による障害はどんな場合でも自覚症状のないごく初期の段階から始まり、少しずつ進行しているのです。症状がないからといって安心せず、早めの改善に取り掛かるようにしましょう。
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