商標制度の意義
消費者は勿論のこと、各事業者等が円満な経済活動を行っていくためには、ある商品やサービスに触れたとき、その商品やサービスは誰が製造又は提供したものなのか、その商品やサービスの質としてはどのくらいのものが期待されるのか、といった事柄が分かるシステムが必要です。
そこで、商標制度では、商品やサービスに付けられた目印、すなわち『商標』を登録した場合には、他の事業者が同様な商標を使用することができないようにしたのです。
この結果、ある『商標』が付けられた商品・サービスは、その『商標』を登録した特定の事業者が製造又は提供したものであることが明確になります。また、事業者は自分の商品・サービスの信用を落とさないように、品質・質の向上に努めることになります。
一方、消費者は『商標』を目印に商品を購入したりサービスを受けたりすれば良いため、偽物を買わされるという心配がなくなります。
商標とは
商標とは、事業者が自己の取り扱う商品・サービスを他人の商品・サービスと区別するために、その商品・サービスについて使用するマーク(標識)をいいます。
そのため、商標登録では、ある特定の商品またはサービスを対象として、ある特定のマーク(標識)を登録します。
商標登録の対象となる商品・サービス
商標登録の対象となる商品やサービスは、様々なものを指定することができます。 商品は
第1類〜第34類
のカテゴリー(区分)に分かれており、サービスは
第35類〜第45類
のカテゴリー(区分)に分かれています。
この
第1類〜第45類
の区分の中から登録を希望するカテゴリーを選択し、そのカテゴリーに含まれる商品・サービスを指定して出願を行います。(例えば、「第1類 化学品」や「第3類 化粧品」など)
区分とは?
区分とは、商標登録を行う商品や役務(サービス)のカテゴリーを意味しています。
1つの区分には複数の商品(役務)が含まれており、1区分の出願料金でその区分内の商品(役務)をいくつでも指定することができます。
例えば、第1類には「化学品,のり及び接着剤,植物成長調整剤類,肥料,非鉄金属,非金属鉱物,写真材料,原料プラスチック,パルプ」などが含まれます。
第29類には「乳製品,卵,食用魚介類,冷凍野菜,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実」などが含まれます。
従って、ある商標を「肥料」と「卵」と「冷凍野菜」に使う場合には、第1類の「肥料」と第29類の「卵,冷凍野菜」を指定して出願する必要があるため、2区分になります。
複数の区分にまたがっていても、1件の出願で申請することが出来ます。
第1〜34類
が商品に関する区分、
第35〜45類
が役務(サービス)に関する区分です。
商標登録をした場合の効果
1.全国的に効力が及ぶ商標権が付与され、権利者は誰からも排除されることなく、指定商品又は指定役務について登録商標を独占的に使用をすることができます。
2.他人が登録商標と同一又は類似の範囲内で登録商標の使用等の行為をすると権利侵害となり、侵害者に対して侵害行為の差止め、損害賠償等の請求をすることができます。
拒絶理由通知(拒絶理由通知書)の対象となる商標
1.
自分の商品・サービスと他人の商品・サービスとを識別することができないもの
具体的には、商品・サービスの普通名称、商品の販売地・用途、サービスの質・提供場所等を普通に表示しただけの商標は登録されません。
2.
他人の登録商標と同一又は類似の商標
具体的には、
@.他人の商品・サービスと同一又は類似する商品・サービスであること
A.他人のマーク(標識)と同一又は類似するマーク(標識)であること
の両方の要件を満たすときに拒絶されます。
他人のマーク(標識)と類似するか否かは、
外観(見た目)・称呼(読み方)・観念(イメージ)の 3点を基準
に判断されます。
商標権を取るための手続
@
法令で規程
された所定の商標登録願を特許庁に提出します(
商標登録出願
)。出願した書類は約1〜2ヶ月で公開されます。
A
手続上又は形式上の要件
を備えているか否かの審査をします。書類が整っていない、必要項目が記載されていない等のものは補正命令がされます。
B 実体的な要件を満たしているか否かの審査をします。以下の商標は、この実体的要件を満たさないものとして拒絶されます。
1.自己の商品・役務と他人の商品役務とを識別することができないもの
2.公益上の理由や私益保護の見地から商標登録を受けることができないもの
C 実体的な要件を満たさないものは拒絶の理由が通知されます(拒絶理由通知書)。
D 拒絶理由通知書に対しては
意見書
・
手続補正書
を提出することができます。
E 最終的に拒絶の理由がないと判断されると登録すべき旨の査定がされます(登録査定)。
F 登録料の納付がされると商標権の設定登録が行われ商標権が発生します。
G 何人も、商標掲載公報の発行の日から2ヶ月以内に限り、特許庁長官に対して
登録異議の申立て
をすることができます。
H 拒絶の理由が解消しないときは拒絶査定となります。
I 拒絶査定に不服のときは審判を請求することができます。
J 審判の審決に不服のときは
知財高裁(知的財産高等裁判所)
・東京高等裁判所へ訴を起こすことができます。
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